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天国の発見(上)(下)
天国の発見(上)(下)

ハリー・ムリシュ
長山さき 訳

(上)
定価:2,800円(本体価格)+税
ISBN:4-901784-83-8
(下)
定価:3,200円(本体価格)+税
ISBN:4-901784-84-6

「最高に面白く読めて、深みのある哲学的な小説」――ワシントン・ポスト紙
「膨大でありながら、概念をひじょうに面白く読ませる小説……
何昼夜も読みながら、考えさせられること間違いなしだ」――シカゴ・トリビューン紙


本書は、オランダの国民的作家ハリー・ムリシュが65歳の誕生日に発表し、世界で150万部の売れ行きを記録した長編小説です。オランダ人作家で最もノーベル賞に近いと言われるムリシュですが、本書「天国の発見」は彼の代表作とされ、また、彼の波乱に富んだ人生経験が様々な形で盛り込まれた、最も自伝的な作品であるとも言われます。

「ナチス協力者の父とユダヤ人の母」の間に生まれた作者ムリシュの分身・マックス。
オランダの名家の異端児で、マックスと深い友情で結ばれるオノ。
そして、マックスとオノ、2人の父親の息子となる稀有な魅力を持った美しい少年・クインテン。
物語は、とある天使が上役に「任務の達成」を報告するところから始まります。
任務…それは、「モーゼの十戒を天国へ取り戻すこと」。
天使のささやきに誰も耳を貸さなくなった近代以降の人間たちの人生を、天使はあらゆる偶然によって翻弄し、「任務」を完了するのでした。
2つの大戦と冷戦の歴史を遠景に、3人とその家族たちの喜びと悲しみが叙事的に、また時に詩的に描かれます。
マックスとオノの青春物語で、心理小説の色合いも濃い第1部・第2部に張られた伏線は、第3部でのクインテンを主役としたビルドゥングスロマンを経、クインテンとオノの父子による手に汗握るアドベンチャー・ミステリーである第4部のクライマックスで、怒涛のようなカタルシスに読者を押し流し、読書の陶酔にどこまでも深く浸らせることでしょう。
読み始めの期待よりもはるかに人間味にあふれた、愛さずにはいられない不思議な大作です。



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