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ケルと氷の世界の物語
ケルと氷の世界の物語1『ICE(アイス)』
少年は氷河の大地へ旅立つことをいつも夢見ていた

スティーヴ・ボウケット 作
三辺律子 訳
定価:1,900円(本体価格)+税
ISBN:4-901784-23-4


氷河期の到来によって氷に閉ざされてしまった世界……だが、人びとは全能の女神オールマザーの力によって、山中深くに作られた国パースで安全に暮らすことができた。しかし、探究心に溢れる少年ケルは、外の世界、氷に覆われた厳しい寒さの支配する世界への冒険を夢見ていた。イギリス生まれの壮大な冒険ファンタジー第一弾。

第一弾「ICE」の世界観
本作品は、再び氷河期を迎えた地球を舞台に描かれた、壮大な冒険ファンタジー『ケルと氷の世界の物語』三部作の第一作です。
高度な科学技術を発達させ、様々な文明を築きあげた人類も、氷河期という地球の大変動にはかないませんでした。人間たちは、山や谷など自然の地形を利用したエンクレーヴと呼ばれる巨大な領土を作り、寒さからのがれて地下にもぐります。(略)物語の主人公、ケル少年が生まれたパースも、そうしたエンクレーヴのひとつです。パースでは、オールマザーと呼ばれる女神の支配の下、人々は統制と秩序の保たれた平和な生活を送っていました。そんななにひとつ不自由のない生活に、ケルは疑問を抱くようになります。パースの外にはなにがあるのだろう? 教えられているように、本当に氷と寒さの支配する死の世界なのだろうか? しかし、完璧な管理を誇るパースにおいては、疑問を持つこと自体が罪でした。やがてケルは、志を同じくする反逆者カノたちと出会い、自分で自分の人生を選びとるためにパース脱出を決意します。
(訳者あとがきより)

三部作について
作者ボウケットは、美しく、独創的で、複雑な氷の世界を描きました。一作目『アイス』で、山の内側に作られたパースから、氷原を越えて、森を抜け、ショアの民の住む海辺から、果ての町と呼ばれるエッジタウン、さらに東に進路を変えて恐怖の支配するテューレまで広がった世界は、二作目『STORM(雪嵐)』 、三作目『THAW(雪解け)』(両方とも仮題)と巻を追うにつれ、さらに四方に伸びていきます。その世界に住む者たちも、ケルのようなごくふつうの人間や、フェオやシャムラのような超能力者、知性を持ったオオカミや、コウモリの姿を持つフリオーマス、魔術を操るスラルメイカーズなど、多種多様で、オールマザーやショアの民の救世主であるシータスなど、謎に包まれた神を名乗る者たちも存在します。一方、知性を持つ氷の戦車《トラベラー》をはじめ、持ち主の意図を読み取り適切に反応する武器《マルチブレード》、あたかも意識を宿したような謎の球体《オーヴ》など、ふしぎな機械や道具も数多く登場し、これまでにない、新しい別世界を堪能させてくれます。
本作『アイス』で描かれたのは、果てしなく広がっていく世界のほんの一部なのです。(略)様々な謎は複雑にからみあいながら、このふしぎな魅力にあふれる世界をじょじょに明らかにしていきます。
(訳者あとがきより)


Steve Bowkett スティーヴ・ボウケット
イギリス、サウス・ウェールズ生まれ。長年、英語の教師をしながらティーンエイジャー向けのファンタジー、SF小説を執筆してきた。現在は教師を辞め作家に専念し、子供も大人も楽しめる作品を数多く生み出している。これまでの出版点数は32タイトルにも及ぶ。

三辺律子 さんべりつこ
英米文学翻訳家。聖心女子大学英語英文学科卒。白百合女子大学大学院修了。訳書に、『ライトニングが消える日』ジャン・マーク著(パロル舎)、『ルイスと魔法使い協会シリーズ』ジョン・ベレアーズ著(アーティストハウス)、『The Wreckers呪われた航海』イアン・ローレンス著(理論社)、『竜と王女シマー』ローレンス・イエップ著(早川書房)、などがある。



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