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妻ががんなのに、僕は恋人のベッドにいる。
タイトル 妻ががんなのに、僕は恋人のベッドにいる。

著者 クルーン
古田いず実/訳

定価 1,800円(本体価格)+税

ISBN 978-4-86238-124-8

発売日 2009/1/23

内容 オランダ版、私小説の傑作。
ヨーロッパで記録的な大ベストセラー。

パリ、ロンドン、ミラノなどとならんで、ヨーロッパの流行の発信都市、アムステルダム。主人公は、そのアムステルダムに暮らす勝ち組夫婦。夫婦そろって、会社を経営、仕事も家庭も順調。妻のカルメンは美人でスタイルがいい。男たちの視線は彼女の形のいい胸にいつも釘づけ。しかしスタインは極端な貞節恐怖症。一夫一婦制の(性)生活に対する病的恐怖心をもっていて、金曜日には女性をさがしにカフェへ繰り出す。
人生を謳歌していた二人だが、カルメンの自慢の胸に異変が。検査の結果、かなり進行した乳がんだった。抗がん剤治療、乳房切除、そして再発……。そんな出口のない二人だが、彼らはなんとか前に進もうとする。そして、相も変わらず続く、スタインの悪い癖。
深刻なはずのこの物語は、アムスのおしゃれな風俗、ブランド品、夏のバカンスなどに彩れられながら、軽い文体でつづられていく。カルメンは最後、尊厳死を選択し、人生の最後を自分で演出する。若くしてがんになることは、ただ不幸で不運とは描かれない。自分の生も死もあるがままに受け入れる――スタインとカルメンとその家族と友人のなんでもありの、まったく新しい物語なのである。

著者プロフィール ◆著者略歴
小説家、コラムニスト。1964年オランダ・ティルブルグ生まれ。経営管理学を修めたのち、マーケティング業界でキャリアを積んで独立起業するが、1999年に妻が34歳の若さで悪性乳がんを発病する。2年後に妻を喪うと、仕事が手につかなくなり廃業。3歳の娘を連れてオーストラリアへ飛び立った。何ヶ月もの間、広大な大地をレンタルのキャンピングカーで旅しながら、気持ちの整理をつけるために書いたのがこの作品である。もっとも、それを勧めたのは病床に横たわる妻だった。

◆訳者略歴
オランダ語翻訳者、薬剤師。
1970年兵庫県生まれ。1999年よりオランダ在住。臨床試験委託機関で勤務したのち、独立して翻訳業を中心に活動している。書籍では『ヴァギナの文化史』(作品社)で翻訳協力。取材コラムでは、宝島ムック『きちんと節約、すてきにクラス』のオランダ編「犬も歩けば、カシノに当たる」




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